考査の成績が悪いだけで、追試だー留年だーと騒がれがちですが、意外にも補習になる条件は限られており、特に留年になることはほぼありません。
この記事では成績が悪くても無駄に恐れることが無いよう、どのような場合に補習や留年になるのかを明確にまとめてみました。
※※注意※※
この記事は成績の悪い人向けに書いています。あまり下を見ないようにしましょう。
お急ぎの方は結論を閲覧頂いて、分からない単語があれば遡って下さい。
前提の知識
単位とは
一週間に何回その授業があるかで、その教科の単位数が決まります。
例えば、体育は一週間に3回あるのでその年の体育の単位は3単位です。
但し、学年毎に履修する教科もその単位数も違います。
第何学年のこの教科は何単位と決められて時間割が組まれるので、週の時間割表を参照すれば一目瞭然だと思います。
ちなみに、単位は科目ごとに数が割り当てられるので、「英語コミュニケーションⅠ(英語)」「論理表現Ⅰ(英語)」でも別物扱いです。
欠課時数とは
先程紹介した単位毎に、どれぐらいの時数欠席したのかを表す数値です。その日出席だったかは関係なく、“その授業の時に居たか”が重要になってきます。体育の見学等は結果にはなりませんが、保健室は欠課扱いになるようです。
つまり、2時間目の数学Ⅰを受けた後、3時間目の情報Ⅰの前に早退した場合、数学Ⅰの出席は認められるものの、情報Ⅰ以降その日ある科目は欠課1というカウントがなされます。
勿論、二時間連続で同じ科目がある場合は欠課2となります。
欠課時数は留年には直結しませんが、欠課時数が科目毎に3分の1を超えてしまったらその単位の履修から認められません。
今回紹介する補習・留年の条件には、この欠課時数が大きく関わってきます。
出席日数とは
出席日数は欠課時数と違い、“学校に登校した日数”となります。遅刻・早退があれど、少しでも学校に登校した場合は出席日数にカウントされます。後述する通り、留年に関わる場合もありますが、基本は大学入試の際に使われる数値になります。
また、保健室登校は出席日数にカウントしてもらえるケースも多いようです。
一般選抜ではあまり使われませんが、総合型選抜・学校推薦型選抜で多用される「調査書」は、文部科学省が様式を指定しており、書かれる内容は統一されています。
その中で、各教科については欠課時数ではなく評定平均のみの取り扱いとなり、代わりに出席日数が記述されることになっています。
そのほか、指定校推薦や学校推薦型選抜(場合による)においての学校内選抜において、この出席日数で差がついてしまう場合も多いようです。
素点とは
素点は純粋に科目毎のテストの得点そのままのことです。
但し、後々の評定への計算の過程で必要なのは素点平均になります。
素点平均は科目毎の中間考査・期末考査の得点の平均です。
カンニングしたら素点0になる!?
これはガチです。
平常点とは
簡単に言うと課題点みたいなものです。後述する”評定“に加算され、各科目30点が満点とされています。提出物を問題なく出したか、再提出か、遅れて提出かが記録され、その点数が平常点になります。また、この平常点には授業態度が入ってくるケースもあるようです。
こちらは科目毎ではなく教科毎(数学、英語など)に出されるケースも多く、学期末に担当教員がそれぞれの科目に点数を振り分けることもあるようです。
尚、求められた以上の完成度の提出物を提出して、周りよりも多い得点が貰えるケースは少ないです。教科ごとに確認して下さい。
評定とは
5段階評価で学期毎に出される各教科の評価値の事です。
前述した”素点”を7割換算(素点×0.7)した数値に、平常点等を足した数値が40未満で1、40以上で2がつきます。
各科目を受けた学期全てを合わせた平均値がその科目の「評定平均」として前述の”調査書“に記述されます。
学年を跨いで履修する科目の場合、それぞれの学年・学期で出た評定を全て合わせた平均が評定平均となります。
例外について
公欠・忌引き・出席停止
部活動の試合や身内の不幸毎の際に適用されます。欠席にも出席にもならず、「出席停止・忌引き等の日数」として記録されます。但しこれが自信に不利にはたらくことはないと言って良いと思います。
コロナ・インフルエンザ等の罹患や、学級閉鎖等もこれに当たります。
尚、オンラインで出席したとしても手続き上は何も変わりません。
停学等の懲戒処分
これは出席停止と似た形で、出席を要しない日として取り扱われます。
但し、調査書には「○○日は停学処分の日数」と明記されますので、提出すれば大学側に知られることになります。
不登校
こちらは残念ながら欠席扱いにしかなりません。筆者が見たケースでは、鬱病の診断書が出されてもその対象にはなりませんでした。
また、保健室登校についても、”出席日数“にはカウントしてもらえるケースもあるようですが、欠課扱いとなり、後述する留年に大きく関わる場合があります。
文部科学省的には、オンライン等で出席した生徒を出席扱いとするようガイドラインを出しているようですが、現行の宗像高校にはその制度がありません。
補習(補講)になる条件
各学期において、“評定”が1、つまり40点未満の時に補習(補講)となります。
但しこれはテストの点数が40点未満という訳ではなく、テストの素点×0.7に対し更に”平常点(前述)”を加算した数値が40点を下回った場合に補習となります。
ですから計算上、平常点が満点であれば素点平均が15点ほどでも回避できる可能性があります。
※頼りにしてはいけませんが、40点ギリギリの生徒は授業態度の評価を上げて誤魔化してくれるケースもあるようです。
補講を問題なくこなせば評定は40点となり、ギリギリ2がつきます。41点以上になることはありません。
但し、補講や課題の提出を忘れた、または遅れた場合は40点に満たない点数で確定されることがあります。
補講か補講課題か
同じ科目でも学期によって違いますが、補講のみ、補講課題のみ、その両方など色々なパターンがあるようです。補講課題に関しては長期休暇のような量が出ます。
尚、“追試”というシステムは既に廃止されています。
学年末について
学年末の時点で、その学年全体の科目の評定が1になる可能性のある場合、通常の補講ではなく学年末補講となります。
その科目が後述する必履修科目で進級等に関わる場合は、親御さんが呼び出されて現状の説明がなされる場合もあるようです。
単位について(重要)
補講を終えた上で、一年間を通したその科目の成績平均が40点未満だった場合、評定が”1″となり、その科目の習得は認められません。
“履修”は認められるようですがあまり変わりません。
調査書にもその教科の成績が”1″と記述され、総合型選抜や学校推薦型選抜を利用予定の人には大きく不利にはたらいてしまう場合があります。
但し、単位を落としたところで留年になることはあまりありませんので、留年になる条件をご覧ください。
留年になる条件
留年になる要因には以下の3つがあります。
出席日数
出席日数は前述の通り、“学校に登校した”日数です、これが年間の3分の2未満、つまり3分の1以上の日数欠席してしまった場合は進級が認められません。
勿論、対象の日数は出席停止等を除いた日数です。
尚、出席日数に関しては補講等の救済措置もありません。少しの時間でも登校を試みることをお勧めします。
単位の習得
欠課時数が3分の1を超える、もしくは評定が最終的に”1″となった場合はその科目の単位の習得が認められません。
留年になる場合は、「必履修科目の単位を落とす」「一年間で9単位を落とす」の2通りのみです。
一科目落とした場合、それだけで数単位落としたことになるので注意して下さい。
必履修科目(必修科目)一覧
※カッコ内は履修する学年
- 国語:「現代の国語」(1) ,「言語文化」(1)
- 地理歴史:「地理総合」(2) ,「歴史総合」(1)
- 公民:「公共」(2)
- 数学:「数学I」(1)
- 理科:「物理基礎」(1),「化学基礎」(2),「生物基礎」(1),「地学基礎」(2)
- 保健体育:「体育」(1,2,3)および「保健」(1,2,3)
- 芸術:「音楽I」(1)または「美術I」(1)または「書道I」(1)
- 外国語:「英語コミュニケーションI」(1)
- 家庭:「家庭基礎」(1)
- 情報:「情報I」(1)
- 総合的な探究の時間(1,2,3)
結論
考査の素点が40点未満
↓
中間考査・期末考査を平均しても40点を下回る
↓
7割換算して平常点を足しても40点に満たない(ここで学期末補講決定)
↓
補講を十分にこなせず40点の成績が出なかった
↓
補講を受けた上で一年間の成績が40点に満たない(学年末補講)
↓
学年末補講も合格点を下回り単位を落としてしまった
もしくは欠課時数が3分の1以上だった
↓
落とした単位数が合計9単位以上
もしくは必履修科目を落としてしまった
ここまで来てやっと留年ですので、余程の事がないと留年にはなりません。
但し出席日数に関して救済措置はありませんので、どうにか対策を立てるようにしましょう。
単位を落としても留年にはなりにくいですが、大学入試に挑む生徒には傷となってしまいます。極力避けるようにしましょう。
留年にならないからと言って甘えてはいけませんが、無駄に恐れる事無く、成績が悪くても冷静に対処していきましょう。
ここまで閲覧頂きありがとうございました。
flickboxx管理人